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カイロスが凝縮された2011年

今年最後のブログです。2011年も早いもので、もうあと数日で終わりです。

歴史に対するものの考え方として、「クロノス」と「カイロス」という2つのアプローチの仕方があるという話を本で読んだことがあります。クロノスとは、起こったことを時系列に沿って時間を遡っていく考え方であり、カイロスとは、例えば、1945年8月15日の日本にとっての敗戦のように、歴史上の流れの大きな分かれ目となる出来事や物語に焦点を当てる考え方です。

2011年という年は、1年の間にこのカイロスが凝縮された年だったと思います。

年が明けて間もなく、1月にチュニジアで起こった政変がきっかけとなって、民主化運動がエジプト、リビア、バーレーンへと飛び火し、約30年にわたってエジプトの長期政権を築いてきたムバラク大統領の辞任、40年以上にわたってリビアに君臨してきたカダフィ体制崩壊にまで至りました。10月にはカダフィ死亡のニュースが世界中に配信され、今世紀の代表的な独裁者の1人がついに最期を迎えました。

また、5月には、米国のオバマ大統領が海軍特殊部隊がオサマ・ビンラディン容疑者を殺害したという発表を行い、9.11テロからちょうど10年目を迎えた今年、1つの区切りとなる状況を迎えました。また、今月に入って約9年間にわたって続けられていたイラク戦争の終結宣言も行われました。

さらに、今月19日には北朝鮮の金正日総書記死去の知らせも世界中を駆け巡り、来年の金日成生誕100周年を前にして、後継者問題が劇的な局面を迎えています。

これらの出来事どれをとってみても、世界の歴史の中で大きな節目となる出来事として、永久に残るものだと思います。

ところが、日本および日本人にとっては、3月11日に起こった東日本大震災と津波による原発問題という、とんでもなく大きな問題に見舞われる事態になり、年末まで1日としてこの問題が話題にならない日はないくらいの年になりました。

今年の年明けの時点で、いったい日本がこんな事態に見舞われると誰が予想できたでしょうか。震災前と震災後という時代の大きな分かれ目ができ、「フクシマ」という地名が、スリーマイルやチェルノブイリといった世界史上に永遠に残る大きな原発事故の発生現場となるなんて、信じられないような現実が生まれる年になってしまいました。

今年を振り返ってみると、3月11日からあっという間に時間が過ぎているという感じで、実際にはその間の時間を1日1日過ごしてきたにもかかわらず、まるでその間が空白になっているような錯覚を覚えます。あの日から月日が駆け足で過ぎて行ったような感じです。毎日ツイッターのタイムラインに原発の話題が上らない日はなく、そのタイムラインの流れと共に月日も刹那的に流れて行ったような、そんな印象すらあります。

この3.11という経験をした日本人にとっては、米国人がケネディ大統領暗殺や9.11テロの日にどこで何をしていたかということがいつまでも語り継がれているように、いつまでも忘れられない経験として記憶に残っていくことでしょう。

私はあの大きな地震が起こった当日は、前日にたまたまアマゾンに注文した商品が届き、それを受け取るために2階から階段を下りて1階の玄関口まで行き、そこから2階に戻ってきた、まさにその瞬間の出来事でした。

部屋に入ろうとした瞬間に、揺れを感じ、何なのだろうかと思った次の瞬間、ドスンというような激しい揺れに襲われ、大きな地震だと気づきました。それと同時に、家の電気が消え、停電が始まりました。ブレーカーを調節しても電気のもと自体が機能していない状態だとわかり、すぐにiPhoneでツイッターにアクセスしてみました。

すると、東北沖を震源とする大きな地震が発生したことがわかってきました。タイムラインを見ながらも、いつになったら電気は復旧するのだろうか、このまま続けばいずれiPhoneの充電も切れ、タイムラインを追うこともできなくなると思い、事態を見守るという時間が続きました。

しばらくすると、市のアナウンスが流され、東京電力が電気の復旧に努めているが、いつ回復するかは目処が立たないという内容が伝えられました。結局、そのまま夜を迎え、翌日の明け方4時少し前くらいまで停電が続き、約13時間暗闇で過ごすという経験をすることになりました。

それまでの人生の中で、地震で長時間にわたって停電になるという経験自体したことがなく、13時間も電気の復旧まで待つということも初めてでした。もちろん、東北の被災者の方々の苦しみからすれば比べ物にならないレベルですが、こんなことが起こってしまうんだなあと思い知らされる経験でした。

昨日、内閣府の有識者検討会が東海、東南海、南海地震を起こす「南海トラフ」で発生する最大級の巨大地震の想定震源域を従来よりも2倍に広げたという内容の中間報告が発表されましたが、3月の大地震がどんな地殻変動を生み、それがこれからどんな動きをする可能性があるのかというのは、本当に長期的な問題だと思います。もちろん、原発の影響が長期的にどうなるのかということが大きな問題であることも言うまでもないことです。

地震による地殻変動も原発問題も日本にとどまらず、これからも世界的に影響を及ぼす可能性が長期的に続く問題だけに、2011年という年は世界的な分水嶺になる年だったと実感するこの年末です。

テーマ : 東日本大震災
ジャンル : ニュース

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プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

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curiositykh@world.odn.ne.jp

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