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翻訳について

今回は、翻訳に関して書きたいと思います。

これはあくまでも、私の独断と偏見に基づいた翻訳論なので、翻訳に携わっている方たちが皆同じような考え方をしているかどうかはわかりません。私はあくまでも一介の翻訳者であり、翻訳家の方がこの文章を読まれたら、どう思われるだろうかと少々恐縮してしまいますが、書かせていただきます。

翻訳者とは、言葉のコンサルタント、もしくは言葉のソムリエとでも言うべき存在です。

原文を読んで、その内容を正確に理解し、それをわかりやすい言葉で表現し直すのが、翻訳の基本的なスタンスです。

その際、プロの翻訳者は、仕事を依頼してくれたクライアントと、想定読者の両方の立場を考えながら、実際の翻訳業務に当たります。

つまり、訳した文章を基本的に誰が読むのかを考慮した上で、クライアントのニーズに合った訳文に仕上げていきます。

作業の本質は、異文化間コミュニケーションを円滑に進めるために、言葉のプロとしてよりわかりやすく、親切な訳文を提供することになります。が、実務的にはあくまでも、クライアントのニーズが最終的に最も重要な留意点なので、クライアントの要求内容を訳文に的確に反映させるのが、プロの仕事です。

例えば、英訳文書の中にSNSの話題が書かれていて、「ミクシイ」という名前が出てきたとします。このときには、英訳文を読むのは英語を使っているネイティブ読者なわけですから、ネイティブにとってより親切な英文を書くことが重要です。この場合であれば、Mixi, the Japanese version of Myspaceといった記述を付加するのが適切な英訳と言えます。また、例えば日本の東北地方を表現するときには、Japan’s northern Tohoku districtというふうに、northernという単語を付加しておいた方が、ネイティブに対しては親切で理解しやすい英文になります。

ただ、クライアントができるだけ余計な情報は付加せずに、原文に忠実な英文を作成してほしいという要望を伝えてきた場合には、情報を付加した方が親切でわかりやすい英文になることが明らかであっても、クライアントの要求に応えるのがプロの仕事です。

つまり、翻訳もビジネスなので、クライアントに対して自分がいかに貢献できるかというcontribution baseの発想が重要になってきます。個々のクライアントの要求にいかに応えることができ、満足のいく成果物を提供することができるかが、毎回の翻訳案件の要です。まさに個客マーケティングの発想が大事になってきます。ただ、機械的に言葉を置き換えるという無機質なものではないのです。それこそ、翻訳者の技量の見せどころと言えます。

テーマ : 仕事の現場
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

ブログを読んでいただいて、ご意見・ご感想などございましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールをいただければと思います。

curiositykh@world.odn.ne.jp

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