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政治家のツイッター利用

英誌『エコノミスト』の最新号に“Sweet to Tweet”と題した政治家のツイッター利用に関する記事が掲載されています。内容をまとめると、次のようになります。

ITが発達している現在、政治家宛てに直接メールを送って簡単に個人の意見を表明することができる。特に、ツイッターから発信されるメッセージは電報のようなもので、140字以内でパソコンからでも携帯電話からでも送ることができる。このメディアの出現によって、有権者が気軽に政治家とコンタクトを取ることができるようになった。

チリのセバスティアン・ピニェラ新大統領は全閣僚にツイッターを始めるように指示を出している。ベネズエラのチャベス大統領もツイッターを利用している。昨年6月時点でツイッターアカウントを取得している日本の政治家はわずか3人だったが、現在、日本のツイッター政治家のタイムライン一覧サイトであるPolitterへの登録者は485名に及んでいる。昨年ドイツで行われた選挙に関する分析によると、577人の政治家が既にツイッターアカウントを取得しており、そのうちの4分の3が2009年の登録だったという。ギリシャのパパンドレウ首相の事務所もツイッターを利用している。

ツイッターは政治家にとって、公式のプレス発表の前の段階で、国民の反応を確認できるという面を持っているが、ユーザーからの反応の規模が大き過ぎて、政治家本人が対応できるレベルではない。例えば、オバマ大統領は毎日送られてくるメッセージ20,000件の中から選び出した内容10件だけを読んでいる。ツイッターは、政治家が社会的なメッセージを発信するのに有用なメディアだ。また、自らの選挙区の支持者に向けたメッセージを発信することもできる。ただ、良い面がある一方で、下手な発言をすると、即座にその悪影響を被る事態にもなる。

ツイッターは、与党側よりも野党側に有利なメディアだ。今年1月にワシントンのPR企業が行った調査によると、米国議会の共和党議員のツイート数は民主党議員のツイート数の5倍以上だったという。チリ議会の野党はツイートを通して、大メディアで報道が不十分な内容について情報提供して補っている。

ツイッターが非常に便利なメディアであり、政治家にとっても国民とより身近なコミュニケーションを取るためのウェブ媒体になり得ることは否定できないと思います。ただ、先日『エコノミスト』4月24日号に掲載されたイギリス総選挙におけるソーシャルメディアの活用に関する記事についてブログに書いたように、現実にはまだ限られた数の利用者の間でしか訴求力を持ち得ていないという現状があります。年齢別の統計でも、ツイッターを含めたインターネット利用者の中で、55歳以上の人たちの利用者数が絶対的に少ない状況です。

さらに、ツイッターを活用する場合、政治でもビジネスでも、ツイッターというメディアの持っている基本的な性質を考慮に入れる必要があると思います。つまり、ツイッターは同じソーシャルメディアでも、ミクシイなどとは全く異なるものです。私の比喩を使って表せば、ミクシイはカゴの中の空間を楽しんでいる鳥であるのに対して、ツイッターはカゴから外に出て、自ら行き先を決め、潜在的なリスクも背負いながら自分の責任で移動している野性の鳥という感じです。

両者の画面自体、全く異なっています。ツイッターの画面は、絶えずタイムラインが流れ続けていて、投稿者たちの活発な発言(ツイート)が飛び交い、リアルタイムのダイナミズムに溢れています。私の印象では、ツイッター利用者は、素人も専門家も関係なく、問題意識や好奇心、遊び心、自立心の強い人たちで、不特定多数の人たちとのウェブ上の情報交換を通じて自己研鑽と自己成長を図っているという感じです。フォローとアンフォローも自由であり、自己判断による選択を常に意識する必要があり、自由を使いこなす自立心が何よりも求められます。

対称的に、ミクシイの場合、ある程度限られた範囲の中で、自分がコミュニケーションを取りやすい人たちとコンタクトを取り、コンパクトでゆったりとしたペースの社会的つながりを重視する人たちのためのメディアだという気がします。

つまり、どちらが合うかには、各利用者のコミュニケーションスタイルや価値観、好みといった全人格的な要素が関わってきます。

ただ、両者の間に厳然たる明確な違いはありますが、両方ともある特定のウェブコミュニティーの中で物事が進行しているという点は共通しています。換言すれば、どちらも利用者だけに限られた話であり、その枠組みの外側にいる人たちにとっては、全く関係のない世界ということです。実際、私のミクシイのマイミクの中にも、ツイッターをやろうという考えはないという人もいますし、ミクシイもツイッターもやっていないという人もいます。

このような特定の特徴を持ったソーシャルメディアを活用する場合、政治活動でもビジネスでも、明確なマーケティング戦略を構築することが何よりも重要です。具体的にどんな人たちを主なターゲットとするのか、その人たちにどんなメッセージを発信し、その活動を通してどんな結果を得たいと考えているのか、何を目的としてそのメディアを活用しようというのか、といったことを突き詰めて明確なビジョンを描き出さなければなりません。

特にツイッターの場合、戦略的には密着軸に基づいたメディアであり、長期的な展望に立ってフォロワーとの関係を築いていくという性格が強いです。短期的に選挙に利用して、それで終わりといった性質のものではありません。

このように、様々な特徴的な要素を兼ね備えているツイッターを政治家が政治活動に利用しようという際には、単なる思いつきだけでは有効に活用することができません。的外れな考え方に基づいてツイッターを利用しても、良い結果を得ることはできないでしょうし、また情報伝播力のあるツイッターの影響力や効用を過大評価したり、過小評価したりすることも禁物です。

私個人は、人口構成が少子高齢化に向かって進んでいく中で、高齢世代のインターネット利用者がどれだけ増えていくかがかなり大きなポイントになると思っています。実際のところ、ツイッターのタイムラインを見ていると、高齢のツイッター利用者の方もいますし、ツイッターの魅力を見出して熱心にツイートしている人たちの熱意が伝わってきます。

高齢世代が増していくということは、その世代のインターネット利用者が増えれば、ウェブ・マーケティングの範囲や選択肢が拡大し、その効用が増大する可能性があるということであって、そこには新たな可能性が生まれるということでもあります。インターネットにはセキュリティ上の問題が常にあり、情報の更新スピードが速い中で使い方を覚える手間もありますが、現在ではその利便性の方がはるかに大きく、利用者層の拡大には大きな社会的意義があると思います。

高齢者にとっては、インターネットを使うことができれば、生活する上で実際に身体的な負担を軽減することができるというメリットもあります。例えば、インターネットバンキングで銀行の口座を確認したり、インターネットショッピングサービスで買い物をしたりすることができます。また、日常的にコンピュータを使って脳を鍛えることによって、知力も活発に働かせることができます。生涯学習が叫ばれている昨今、おじいちゃん・おばあちゃんが息子や孫にパソコンを教わったり、療養施設でパソコンの使い方を学んだりすることができるようになって、インターネットの便利さや楽しさを知ることができれば、素敵なことだと思います。


関連記事を以下に紹介しておきます。

ベネズエラ大統領、ツイッターへの返信のため200人雇用

[カラカス 8日 ロイター] 最近ミニブログ「ツイッター」の利用を始めたベネズエラのウゴ・チャベス大統領だが、自身の「つぶやき」に寄せられる反響の大きさから、その返信のために新たに200人を雇い入れたことを明かした。

チャベス大統領が自身のアカウント(@chavezcandanga)で発するつぶやきは、これまでに25万人近い人々がフォローしている。

大統領によると、9日間で5万通以上のメッセージが寄せられ、その返信のために200人を雇うことにしたのだという。

テーマ : 未来ビジョン
ジャンル : 政治・経済

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プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

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