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私が「The New Classic」に寄稿する理由

久しぶりのブログ更新です。

今回は、なぜ私が「The New Classic」に寄稿するのかについて書きたいと思います。

私は今年の三月から「The New Classic」というニュース解説メディアに記事を寄稿していますが、私が寄稿を決めた大きな理由は、同誌の媒体資料に書かれている次のような基本理念に共感するものを感じたからです。

本誌の特徴は、「質の高い第2報」。大手メディアが、ネットでの速報競争をおこなう中、わたしたちは独自の分析や調査に基づいたクオリティの高い記事や、他社が伝えないような海外ニュースへと注力しています。


この中の、「速報競争とは違う土台に立っている」という点と、「他社が伝えないような海外ニュースに注力」という点に特に魅力を感じています。今のネット時代には、情報の速報性と拡散が驚異的なレベルまで高まっています。これにはメリットとデメリットがあります。メリットは、より速くより遠くまで情報を届けることができるという点です。逆に、デメリットは、不確実な情報や間違った情報も瞬時にして世界中に広まる危険性があるという点です。実際、東日本大震災の時にデマが飛び交ったことは記憶に新しいです。また、情報の伝達が速いだけで、伝えられる情報の分析やその質は別の話になります。

私は基本的に情報の速報性にはあまり価値を置きません。もちろん、伝達がより速いに越したことはありませんが、速いことばかりに価値を置くという考え方には賛同しません。

それよりも、その情報にどのくらいの信憑性があり、どれだけの価値があるのかという分析による意義付けこそ重要だと考えています。言い換えると、ただ単に速く伝えられる情報は「インフォメーション」ですが、それを分析し意義付けしたものは「インテリジェンス」になります。私が重視するのはインテリジェンスです。

また、「他社が伝えないような海外ニュースに注力」という点も非常に重要だと思います。日本の大手メディアは画一的な海外報道になることが多く、例えば最近の例で言えば、ウクライナ情勢に対する報道などが典型ではないかと思います。日本の大手メディアの多くが欧米の主流メディアの論調に沿った報道を行い、国際法に違反してクリミアを併合したロシアはけしからんといった反ロシア、反プーチンのスタンスをとり、欧米の偽善的な側面については報道しないというスタンスです。

そういう中で、私は「米国政府機関がウクライナのクーデターに資金提供を行っていた」という記事を寄稿し、ウクライナのヤヌコビッチ政権転覆の裏で米国がどんな工作を行っていたのかについて詳述しました。

また、キッシンジャー博士のウクライナ情勢分析イスラエルから見たウクライナ問題中央アジアから見たウクライナ問題アラブメディアから見たウクライナ問題といった切り口にも注目し、他のメディアではほとんど見られないような視点からのウクライナ情勢分析についても寄稿しました。

「ニュースを消費するんじゃなくて文脈を創る」The New Classicの挑戦というウェブのインタビューの中で、同誌編集長の石田健さんは、次のように語っています。

・ニュースを解説するメディアで、日本であまり報道されていない海外や政治のネタを中心に扱っています。あくまでストレートニュースではなく、「こういう状況です」という文脈を押さえることを目的としています。

・大事なのはどういったニュースがどういう切り口で問題化されるかという点だけです。

・例えば論文に注釈が欠かせない様になんらかの「知」や「知識」を説明するためには、相互にリンクし合ったテキストが、現時点では最も優れたものである気がします。ですから、ニュースを単にいっぱい配信しますよということではなく、Wikipediaがそうである様に、ニュースを相互に関連づけて説明するようなデーターベースになれば良いなと思っています。

・例えばアメリカ大統領選挙に興味を持って、「オバマって何をしてたんだっけ?どう評価したらいいのかな?」って気になっても、Google検索じゃ分からないことが多いと思います。「オバマケア」がどういう文脈で貶されているか、とか時系列に沿って体系的に理解したいわけです。

・結局いまって、スマホでニュースを読んでいても、インフォメーションを消費しているだけなんです。しょうもないニュースも歴史に残るようなニュースもインフォメーションとしては変わらない。そこに文脈や新たな情報をひもづけることで価値が出てくると考えています。

・起きている事象について、その背景はこうですとまさにニュークラが理念に掲げていて、あるフランスの歴史家が言ったような「世界に世界を説明する」ことに単純な興味があるからです。

・日常のあらゆるシーンで「これってどういうことなんだろう?」と気になり、検索する人はいっぱいいるので、それに応えられるものを目指しています。そういう意味では「ニュースサイト」という括りに限定されないですね。いかに単なるニュースサービスじゃない、ニュースの土俵で戦っていないものにできるかが鍵です。

上記の石田編集長の言葉を私流の言葉で表現すると、単に「消費されるインフォメーション」(情報のフロー)を伝えるというのではなく、「体系化された情報の集積」を創り、「蓄積・共有される知の資産」(情報のストック)を構築するということだと思います。

前述したように、私は瞬間的に流れていく情報の速報性にはあまり価値を見出すことはありません。そうではなく、分析され意義付けされた「インテリジェンス」に価値を見出します。そういう観点から考えて、石田編集長がインタビューで語っている内容は私の情報論と一致しています。

このような理由で、私は「The New Classic」に寄稿しています。

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プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

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curiositykh@world.odn.ne.jp

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