スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

雑記

翻訳をしていると、本当に様々な分野の文書を読む機会があります。これまでに読んだものの中で、特に印象に残っているものに旅行関係の文書があります。

近年、観光産業において「着地型観光」という言葉が使われるようになっているといいます。これは、「発地型観光」の対義語です。「発地型観光」というのは、観光産業で従来よく使われている手法で、出発地に所在する旅行業者が企画するパック旅行のことを指しています。この場合、出発地とは都市部を指していることが多いです。都市部にある旅行会社は、その販売規模を生かして、交通機関や宿泊先などを一括で安く仕入れることができます。が、その反面、旅行企画が型にはまりやすい弱点も持っています。

これに対して、「着地型観光」というのは、目的地に所在する旅行業者が企画するパック旅行を指しています。地元の旅行業者は地元の情報に詳しいので、独自性の高い企画を提案できるわけです。

言葉を知らないと、最初に目にしたときちょっとわかりづらいですが、説明を聞くと理解できます。私も翻訳文書でこの言葉を知るまで、全く聞いたことがありませんでした。

インターネットが発達した最近では、「着地型観光」がさらに進んで、個人や一部のコミュニティの人たちの間での情報発信がきっかけとなって、思わぬ地域観光振興に結びつく例もあるようです。例えば、アニメの舞台となった地方のロケ地が話題となって、アニメファンが“聖地”としてそこを“巡礼する”ようになることで、地域の観光が活性化され、伝統的なお祭りやイベントにファンが参加したりするようになっています。埼玉県の鷲宮町というところで、実際にそういう例があったそうです。

これからは地方分権、いやもっと言えば、地方主権が政治の大きなテーマになってくる時代の流れにあるので、「着地型観光」というのはとても意義のある観光スタイルだと思います。2016年の夏季オリンピックを東京に招致する活動が行われていますが、私はこの動きには賛成しかねます。福岡市が既に選考からもれてしまいましたが、今さら東京に招致することに根本的にどういう意味があるのか理解できません。地方都市をより活性化し、政治や行政、市民の活動を強化していくことにこそ、意味があると思います。

ちなみに、私は翻訳文書の中で、「発地型観光」をcorporate-coordination-oriented tourism、「着地型観光」をlocal-proposal-oriented tourismと訳しました。

テーマ : コレ知ってる?
ジャンル : ライフ

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

ブログを読んでいただいて、ご意見・ご感想などございましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールをいただければと思います。

curiositykh@world.odn.ne.jp

最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アンティークな懐中時計
今日の時事英語
ブクログ
ブクログ
検索フォーム
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
キーワード出現頻度解析ツール
検索の仕組み | 上位表示の方法 | 無料SEOツール | 最新SEO情報
人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ ドキュメントルートとは blogram投票ボタン