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翻訳学校で学んだこと

昨日、映像翻訳者の清水憲二さんがツイッターで自身の語学学校時代の経験から感じたことについて書いたブログを紹介しており、その内容を読ませていただきました。そのブログは「翻訳学校にいた残念な生徒から学んだこと」という題名で、簡単に言えば、清水さんが語学学校で実際に見た、これは良くないだろうと思える受講生の態度について紹介したものです。

私も過去に合計して四年半、東京のサイマル・アカデミーの産業翻訳日英翻訳者養成コースを受講していた経験があります。今回のブログでは、語学学校時代のことについて書いてみたいと思います。

受講期間は、基礎科に一年、本科に三年半でした。授業時間は、基礎科は当時、虎ノ門校で土曜日の午前中に行われており、本科は新宿校で金曜日の夕方から夜にかけての時間帯でした。

基礎科も本科も授業の進め方は、大きな違いはありませんでした。基本的に、授業の中で新聞や雑誌の記事、学期によっては日本語の書籍の中の章の一部などを教材にして、前の週に課題となっていた部分を英語に訳してきたものについて、受講者同士でディスカッションし、そこにネイティブ講師も加わり、質疑応答や議論を交わしていくというスタイルです。また、授業の後半で、やはり新聞や雑誌の記事を題材に、サイト・トランスレーションをし、受講生、講師が訳文について議論を交わすという流れです。

基礎科は全て一般的な内容について扱うコースで、本科からは、私が在籍していた頃は、行政、金融、医学(学期によって医学がITに変更されるといった微妙な変動があった記憶があります)という三つの専門コースから一つの分野を選択するという形でした。私が基礎科に在籍していた一年間はニューヨーク出身の女性講師が担当しており、本科はカリフォルニア出身の男性講師が担当でした。私は本科では行政分野を専攻しました。

清水さんは、自身が通った翻訳学校で見た受講生の悪い例について紹介していますが、私自身は、語学学校で一緒に学んだ受講生に対して全く悪いイメージや印象、経験はないのです。私自身が、まだその当時は全くの未熟者で、本来見えなければいけない部分が見えない状態だったのかもしれませんが(笑)。とにかく、私にとっては充実した時間を過ごし、翻訳の基本的なことについてみっちりと学ぶことができたという感じです。

私が受講した当時の受講生についてですが、本科に移籍してからのメンバーが特に強く印象に残っています。というのも、メンバーの中には何年も続けてこのコースを受講しているという「ベテラン」の受講生が数人いたので、その人たちのことがとても懐かしい思い出として残っているからです。

本科を受講している受講生は、必ずしも皆が翻訳を本業にしている、またはそれを目指している人たちばかりではありませんでした。それよりも、もうこのコースを受講し、毎週授業に通って英語力、翻訳力を養うことがライフスタイルになっているというようなタイプの人たちがいました。

私の印象に強く残っている代表的なメンバーとして、特に三人の方が挙げられます。一人は男性で、二人は女性です。この男性は当時、年齢的には50代後半から60代くらいの風貌であり、私立学校の経営に携わっているという方でした。毎週、全くと言っていいほど欠席することはなく、熱心に授業に取り組み、積極的に発言し、授業の盛り上げ役という感じでした。

また、女性のうちの一人は外資系のシリコンメーカーに勤めているという方で、当時の年齢はおそらく40代後半くらいだったのではないかと推測します。女性の年齢に言及するのは気が引けますが(笑)。この方も上記の男性と同じくらいの受講歴があり、やはり積極的に授業に参加し、もう完全に顔馴染みのメンバーといった感じでした。

もう一人の女性は、以前サイマルで翻訳のコーディネーターをしていた経験があるという方で、その当時は既に自身で翻訳会社を経営されているという方でした。この方も、長くこのコースを受講している馴染みのメンバーでした。

こういう方たち以外にも、学期によって新しいメンバーが加わったり、短い期間でやめていったりといった多少の変動はありましたが、大きな変動はなかったという印象が残っています。

私にとっては、どのメンバーも同じコースを受講する同志という感じで、特に上記の三人のベテランの方たちからは学ぶものが多くありました。本科に移籍して間もない頃は、こういうベテランの方たちと自分との差を感じる場面がありました。と言っても、それが何か苦痛とかいったことではなく、単純に本科は基礎科とはやはり違うところがあるなあと実感させられる経験でした。

本科を受講してしばらく時間を経る中で、私とベテランの方たちとの違いが何なのかが明確にわかってきました。それは簡単に言えば、当時の私はまだ無邪気にも個々の表現や言葉ばかりを追っていて、コンテクストの中でどんなメッセージが表現されているのかという大局的な観点を持てていなかったということです。「木を見て森を見ず」の状態だったということに気づいたのです。

これに気づいてからは、個々の言葉や表現ばかりに近視眼的になって張り付くのではなく、大局的な目を持って文章を読むことの重要性を肝に銘じるようになりました。このことに気づくと、綿密なリサーチや文章のテーマに関する様々な情報や知識が重要だということに、改めて考えが及ぶようになりました。

そんなプロセスを経ながら、合計四年半サイマルで過ごしたというわけです。

私は上にも書いた通り、語学学校で過ごした四年半に関して、何もマイナスに感じるものはなく、最高に充実した時間でした。ただ、山梨県在住の私にとっては、金曜日の夜の授業の時間帯というのは、帰りに乗る中央線の下り電車の時間を考えなければいけないという事情があり、特に高尾から向こう側の下り電車の時間に気をつけなければならなかったのが、ちょっと慌ただしくてたいへんな点でした。

もちろん、語学学校で学んだことは私の基礎を形作るのには不可欠なものであり、非常に有意義な時間でしたが、その後の翻訳の実務で学ぶこともまた多く、重要なものをたくさん含んでいます。
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テーマ : 英日・日英翻訳
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

ブログを読んでいただいて、ご意見・ご感想などございましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールをいただければと思います。

curiositykh@world.odn.ne.jp

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