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『神戸新聞の7日間』を観て

つい先日、『神戸新聞の7日間』という映像作品をレンタルDVDで観ました。

これは、1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災の中で地元新聞社である神戸新聞の記者たちが繰り広げた人間ドラマを収めたもので、昨年1月16日にフジテレビ系列で放送されたドキュメンタリードラマです。

今年3月11日に東北地方を襲った東日本大震災とその後も続く原発問題に揺れる中でこの作品を観ただけに、震災後の生々しい場面が16年前に起こった大地震をドラマ化したものとは思えないようなリアリティを持って感じられました。

地震の壊滅的なダメージの中で、食べ物も飲み物もなく、家族の安否も分からない状況に苦しむ被災者に、少しでも情報を届けたいと必死で悪戦苦闘する記者たちの姿が描かれています。

記者たちは、混乱の中でも地元の人たちに情報を届けたいという強い思いを持って動きますが、新聞社の建物自体が地震の被害を受け、新聞作りに必要な機材も破壊されてしまい、使える電話さえも1台しか残っていないという状況です。

そんな切羽詰まった状況の中で、編集局長が最後の思い切った決断を下します。それは、京都新聞に新聞作りを依頼するという考えです。

図らずも、地震の前年に神戸新聞と京都新聞は、地震などの緊急事態が発生した時には、お互いに助け合って、新聞作りを援助するという内容を盛り込んだ協定を結んでいたのです。

震災の中で、編集局長はこの究極の取り決めを実行に移したのでした。

この編集局長の決断に従って、神戸新聞の記者4人が大混乱の交通の中を京都新聞まで急いで向かいました。途中で迂回路を選択しなければならず、予定の時間に間に合うことができず、震災後1日目の新聞の紙面には神戸新聞の記者が取材した生の写真を載せることはできませんでした。

しかし、それから1週間、4人の記者は京都新聞の事務所の一角を仕事場として利用させてもらって、短い時間制限の中でホストコンピュータも借りながら、新聞作りを進めました。

一方、地元神戸に残って活動している記者の中には、取材して情報を発信するという自分の仕事自体に意味を見出すことができず、迷う記者も現れました。

破壊された町の中を歩き回り、被災者の窮状を目の当たりにした時、カメラを向けたり、そこで見たものをメモしたりするのに何の意味があるのか? そんなことをしている間に、被災者を助ける方が大事ではないのか? そんな疑問を持って、瓦礫の中から発見され、運ばれていく被災者にカメラを向ける勇気をなくしてしまう記者もいました。

そんな究極の状況に置かれた記者同士が、荒れた心理状態の中で言い争い、お互いに胸倉をつかみ合って感情をぶつけ合う場面も描かれています。父親を地震で亡くした論説委員が書いた「被災者になってわかったこと」と題する社説が、第一面に掲載される場面が映像の最後に描かれています。

この映像作品を観ると、直接地震の被害に遭った人とそうでない人との間にある厳然たる壁を改めて感じます。

私は関東地方に住んでおり、3月の大震災の直接の被害を受ける立場ではありませんでした。その後の原発の影響が長期的に見てどのくらい及ぶのかをこれからも注視していくという立場にあります。また、大震災の影響で地下のプレートがどんな歪みを起こし、それが今後もどんな影響を地殻に及ぼすのかも気になります。

『神戸新聞の7日間』を観ると、ただでさえ大規模な3月の震災に津波と原発の問題が重なることによって、どれだけ問題が複雑化し、被害が拡大したかを思い知らされます。

私は某SNSで知り合った人の中に、ある英国在住の夫人がいますが、この人は阪神大震災が起こった当時、ちょうど神戸に住んでいたそうです。そのため、被災し、娘さんの仲良くしていた友達を亡くすという経験をしたそうです。また、この人自身も、被災体験によって暗所・閉所恐怖所になったとウェブに書いていました。

また、この人は毎年1月17日には必ずウェブに阪神大震災について追悼記事を書いており、しかもその掲載時間も地震が発生した午前5時46分に合わせるという演出もしています。
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テーマ : 地震・災害対策
ジャンル : ライフ

プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

ブログを読んでいただいて、ご意見・ご感想などございましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールをいただければと思います。

curiositykh@world.odn.ne.jp

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