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【トリビア】霞が関文学

『日本は財政危機ではない!』(高橋洋一著)の中に、役人が自分たちに都合の悪い政策を骨抜きにするテクニックである「霞が関文学」の例として、次のような記述があります。

たとえば霞が関では「完全民営化」と「完全に民営化」は意味が異なる。霞が関用語では「民営化」の意味はひとつではない。なんと三つに分かれるのだ。

一つ目は民有・民営という形態を取る「完全民営化」。二つ目はNTTやJRの初期のように、政府が株式を保有し、経営形態だけを民営にする「特殊会社化」。そして最後が農林中央金庫のように、政府が根拠の法律だけを持つ形態。

普通、「民営化」というと、一番目の意味だと思う。だが、霞が関用語によると、三つのうちのどれを選んでも正しいとされている。

官僚にとって、何がなんでも避けたいのは一つ目の「完全民営化」だ。そこで「完全民営化」とあれば、さりげなく「に」を滑り込ませ、「完全に民営化」に変える。これなら、「完全に特殊会社化」するという道もあり得る。

カナダ人の翻訳者・日本語研究家のイアン・アーシー氏(Iain Arthy)はお役所言葉を「整備文」と名づけ、著書『怪しい日本語研究室』の中で、「祇園精舎の鐘の声」で始まる『平家物語』の冒頭部分を「整備文訳」として次のように表現しています。

●原文

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。奢れる人も久しからず、只春の夜の夢の如し。猛き者も終には亡ぬ、偏に風の前の塵に同じ。

●整備文訳

某宗教法人による教育放送を中心に示唆されているように、情勢や環境の悪化、退化、激動化等の変化が、人生、人間社会をはじめ、宇宙空間を形成する諸現象に随伴する不可避なファクターであると考えられる。現時点では指導的地位にある各政治・経済主体が整備している絶対優位についても、将来的には後進化、劣後化に転ずる必然性を内包していることは、以前から指摘されている通りである。自信過剰により、各自の活動分野におけるヘゲモニーが長期間にわたって持続不能となるパラダイムが支配的であり、究極の結果としては、その優勢が全面的に排除される傾向が認められる。

あっぱれ!

霞が関文学を英語で表現すると、“Kasumigaseki litterature”かな。
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テーマ : ことばをたのしむ
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

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curiositykh@world.odn.ne.jp

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