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児玉清さんのこと

久しぶりのブログ更新です。

昨夜、インターネットを開くと、Yahoo!ニュースで俳優の児玉清さんが胃がんのため亡くなったという訃報が報道されているのを知りました。児玉さんが入院しているということ自体知らなかったので、このニュースに触れた時にはちょっと驚きました。

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私は特に児玉さんのファンだったというわけではありませんが、親近感を覚える部分がありました。

何年くらい前のことなのかはっきりと覚えておらず、かなり何年も前のことだと思いますが、私は児玉さんが何かのトーク番組に出演しているのを見たことを覚えています。その時に初めて、児玉さんが大の本好きだということを知りました。

私も本が好きなので、その話を聞いてから児玉さんに親近感を覚えるようになりました。

児玉さんと言えば、書評番組「週刊ブックレビュー」の司会者を長年務めた人であり、本に対する愛情は人一倍深いものがあります。

そのトーク番組で、児玉さんが英国人の作家であるケン・フォレットについて熱心に語っていたのが強く印象に残っています。児玉さんは語学が得意で、英語やドイツ語で書かれた原書のまま作品を鑑賞することができるという話をしていました。

外出先にも持ち歩いていて、いろいろなところで本を読む習慣があるけれども、その時に一つだけ不便で困ることがあるそうです。それは、洋書のハードカバーの場合、分厚い本になると、かなりの分量で重さもあり、表紙も大きいため、持ち運びに困るという話でした。

その話をしながら、児玉さんは和書と洋書の代表的な特徴の違いについて触れていました。それは、和書の場合、長編作品になると、前編と後編というような形でストーリーを分けて出版するけれども、洋書の場合は基本的にそういう形態を取らずに、長編の分厚い作品でも、一つの巻として出版することが普通だということでした。

私は、そういう話を聞きながら、児玉さんの本に対する思い入れや愛情を強く感じました。

その番組を見た時期から、今では世の中の状況が変化し、出版を取り巻く環境も大きく変わっています。インターネットや電子デバイスの発達で、昨年2010年は「電子書籍元年」と位置づけられ、今年はさらにそれがどういう展開を見せるのか注目されています。

分厚い洋書を持ち歩く不便さについて語っていた児玉さんが、現在の電子書籍の登場という時代環境の中で、本についてどんなことを考えていたのか、今となっては話を聞く機会がなくなってしまったのが残念です。

以前、児玉さんの著書『寝ても覚めても本の虫』(既に文庫化されている)を読みました。今、改めて再読したいという想いが湧いてきました。

私の手元にあります。

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ご冥福をお祈り申し上げます。
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テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』

今日、ジャーナリストの立花隆さんと作家の佐藤優さんの最新の対談本『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』を買いました。

「知の巨人」立花隆さんと「知の怪物」佐藤優さんとの対談がどんな展開を見せるのか、楽しみな一冊です。

最初の数ページを読み始めましたが、非常に知的好奇心をくすぐる興味深い内容がうかがわれます。アマゾンの書評欄に期待外れだったという感想を書いている人がいましたが、私には実に面白い内容だと感じられます。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

好きな作家

私は元外務省の情報分析官であり作家の佐藤優さん(ロシア専門家)の著書を好んで読んでいます。これまでに同氏の著書はほとんど読んでいますが、中でも対談本には特に魅力を感じます。例えば、ジャーナリストの田原総一朗さんとの対談本『第三次世界大戦―新帝国主義でこうなる』と『第三次世界大戦―世界恐慌でこうなる』は知的好奇心をくすぐられるものでした。

両者とも政治や世界情勢の表と裏を知り尽くしたプロフェッショナルだけに、実に読み応えのある内容でした。話題はサブプライムローン問題に端を発した金融混乱から新自由主義論争、格差と貧困の問題、非対称な戦争であるテロリズム、新帝国主義の台頭、天皇制と憲法の関係、ロシアと中国の将来、これからの日本の戦略と多岐にわたっています。

私はその中でも、佐藤優さんのロシア情勢分析には特に注目しました。同氏の分析によると、プーチン首相は2012年までメドベージェフ大統領に政権を任せ、再び大統領に復帰して少なくとも2020年までメドベージェフ氏との二重王朝を築こうという戦略を考えているといいます。2008年11月にはロシアで大統領の任期を4年から6年に延長する法案が可決されており、プーチンは帝国主義的覇権構想に向けて着々と布石を打っているようです。実際、ロシアはウクライナ経由でのヨーロッパへのガス供給を停止するという動きに出ており、これはEU諸国の拡大を明らかに牽制する思惑が垣間見えます。

また、2008年8月のロシアによるグルジア侵攻に関する佐藤氏の解説も興味深いものがあります。この武力衝突に際して、フランスのサルコジ大統領が調停役として登場しましたが、ここにもフランスの国益確保を狙った狡猾な思惑があります。つまり、グルジアは黒海に面し、カスピ海にもほど近い場所に位置する石油とパイプラインの要衝であり、フランスはその利権とコーカサス一帯の発言権を狙っているといいます。サルコジ大統領が提示した調停案の中には和平6原則というものが盛り込まれていますが、その中には肝心の「グルジアの領土保全」 が入っていないのです。これは、ロシアがグルジアを焼いて食おうが煮て食おうがかまわないという意味を含んでおり、フランスは自国の利益しか考えていないことを表しています。アメリカのライス国務長官はこの調停案を見せられたとき、フランスの思惑を理解することができず、その案を承認したといいます。

世界各国の様々な思惑が交錯する国際情勢の苛烈さと激動の世界の現実を思い知らされる本格的な対論で、是非一読をお薦めします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

『越境者的ニッポン』(森巣博)

私は森巣博というオーストラリア在住のアウトロー作家が好きです。妻はテッサ・モーリス・スズキというオーストラリア国立大学教授で、異色の夫婦です。

数年前、この作家の書いた『無境界家族』という本を初めて読んだのがきっかけで、ファンになりました。

その後、『無境界の人』、『神はダイスを遊ばない』、『ナショナリズムの克服』(姜尚中さんとの対談本)といった他の著書も読み、森巣節を堪能しました。

最新刊の『越境者的ニッポン』(講談社現代新書)でも、森巣節は健在です。序の『日本国民は無知になってしまったのだろうか?』の中で、次のような見事な言葉のセンスを披露しています。

チューサン階級(中学校三年生程度の知識の持ち主の意味)の素朴な疑問とは、以下のごときである。

八百屋のおっさんがやれば「犯罪」だが、公務員とか大企業の職員がやれば「不祥事」と呼ばれるのはなぜか?

永田町や霞が関の都合で浪費される金は「公的資金」だが、給料から差引かれるのは「税金」と呼ばれるのはなぜか?

どこから見ても「売春」だが、年端もいかぬ少女がやると「援助交際」と呼ばれるのはなぜか?

また、事件の容疑者の報道についても、次のような疑問を呈しています。

被害者や証言者は「32歳の男性」や「20歳の女性」と記載されているのに、容疑者や被告は「32歳の男」や「20歳の女」と書かれていることに気付かれることだろう。つまり容疑者や被告からは、なぜか「性」が抜け落とされている。

さらに、日本人論に関する疑問も非常に興味深いものです。森巣氏は、次のように記述しています。

たとえば三島由紀夫は、「もはや隊の柵外には真の日本はない」として、1970年11月25日に市ヶ谷の自衛隊に入って隊員たちに決起を呼びかけ、それが失敗すると自決した。

でも、満員通勤電車の中で、縦四つ折りにしたスポーツ紙のスケベ記事を読んでる疲れ果てたおっさんたちは、「真の日本」の中に含まれないのだろうか。年寄りを押しのけ確保した地下鉄の座席に坐ると、白いガーゼのハンカチで額に浮いた汗を拭うおばちゃんたちは、どうなんだ?

三島由紀夫の理解する「真の日本」からは、おそらく軽く99%を超す日本人が排除されてしまうことだろう。

森巣氏の表現は非常に荒削りで、露骨なものですが、着眼点には鋭いものがあります。長年にわたるオーストラリアでの暮らしを基にして、日本を観るその視点は、大部分の日本人にとって新鮮であり、自分たちがいかに国内の論理やメディアの報道に飼いならされているかに気付かされます。

テーマ : 本読みの記録
ジャンル : 本・雑誌

『まんが パレスチナ問題』

最近、『まんが パレスチナ問題』(山井教雄著、講談社現代新書)という本を読みました。タイトルには「まんが」という言葉が入っていますが、内容はとてもわかりやすく、挿絵も上品で知的な筆致で、大人が読んで十分に楽しめるものだと思います。

古代からのユダヤ人の歴史やキリスト教・イスラム教との関係、第一次・第二次世界大戦中の情勢、1948年イスラエル建国後の4回にわたる中東戦争のこと、湾岸戦争、最近の中東情勢というふうに歴史的な流れがわかりやすく設定され、説明も公平で信頼性の高い本という印象を受けました。

パレスチナ問題の背景について知りたい方は、この本を一冊読むだけで、かなり体系的な基本知識を習得できると思います。

テーマ : イスラエル
ジャンル : 海外情報

プロフィール

平井和也

Author:平井和也
KH翻訳事務所代表。主に人文科学・社会科学分野の日英・英日翻訳を中心にしており、行政翻訳専攻です。好奇心旺盛な本好きです。異文化間コミュニケーション・サポーター。日本翻訳者協会(JAT)会員。海外ニュースライター。

特に政治、経済、国際情勢、行政、ジャーナリズムといった時事的なテーマが得意です。

主な翻訳実績として、東大や一橋大学などの教授の書いた学術文書の英訳、2006年サッカーW杯ドイツ大会の翻訳プロジェクトや防衛省・法務省などの政府系文書、政府高官のパーティースピーチ文書、国際会議関連文書、シンクタンクの報告書・論考、英字新聞『ジャパン・タイムズ』寄稿記事の和訳などの翻訳経験があります。

趣味:読書、語学。

ブログを読んでいただいて、ご意見・ご感想などございましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールをいただければと思います。

curiositykh@world.odn.ne.jp

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